21 吐き下し・ロタウイルス感染症

吐き下し・ロタウイルス感染症は冬に多い病気です。ロタウイルスという名前のウイルスが原因の時は、お米のとぎ汁のような便が出ることがあります。冬場に多く、11月頃から3月ぐらいが病気のピークです。うんちからの経口感染と空気感染もありえます。吐き下しという表現を使いますが、熱と吐き気と下痢の組み合わせの病気です。この3つの組み合わせの症状の為、点滴されたり、あいにく入院になる方もおられます。下痢止め・吐き気止めのお薬を使用いたしますが、家庭での食事療法が重要です。吐き気が強い時は暫く何も飲ませないのが、こつ、です。吐き気が落ち着いたら、イオン飲料・番茶・湯冷まし・野菜スープなどを1回10cc前後を少しずつあげて下さい。吐いたら2時間ぐらい何もあげないのも、こつです。下痢にたいしては下痢と同じ硬さのお食事を選ぶことが大切です。母乳の方は、母乳でよいのですが、ミルクの方は、半分の濃さに薄めてあげて下さい。食事は、どろどろの便の方は、離乳食の前期や中期のお食事、水が中心の時は、思い切ってお食事中止にしてみてはいかがでしょうか。
近年経口補水という概念がでてきました.大塚製薬の,OS-1がよく利用されます。
WHOの推奨する経口補液水のナトリウム濃度は75mEq/lで,それに比べれば薄い。下痢嘔吐による脱水の補正ということで言えばナトリウム濃度は高い方が効率がいいので、脱水があると判断した場合にはOS-1を,お勧めします。ところがこの15mEq/lの差が結構大きい。塩辛く感じるのである。脱水があるとのどが渇くので少々のものなら飲んでくれるはずなのだが、どうしても嫌がる子どもがいる。
経口補液水が入手しにくいことは事実です。無くても困らない乳児用のイオン飲料は山ほど置いてあるのに。
ポカリスェットを利用した簡単レシピ。ポカリスエット500ml に食塩ひとつまみ(約1グラム)+レモンまたはオレンジの搾り汁少々で、これでナトリウム濃度は60mEq/lくらいになる。塩加減は症状とお好みで適当に増減して下さい。レモン汁はフレーバーとカリウムの補充を意図します。
冷やしておくというのも大事なポイント。冷たいものを飲んだらお腹に悪いと思われがちだが、ゆっくり少しずつ飲ませるので胃に届く頃には温まっている。でも飲んでよいのは1回20ml。
冷たくのどごしがよいとまだ飲みやすくなりますが感覚的に下痢が嫌なので、やはり生温るにしましょう。