29 果物を食べると口の中が痒くなります/食物アレルギー

口腔アレルギー症候群といわれています。主な症状は、口腔内症状として咳、喉(のど)のいがいが感とその他症状としてアナフィラキシーショックがあります。即時型アレルギー反応(すぐに起こる反応)で、頻脈、低血圧、呼吸困難などを起こし危険でなアレルギーで早期の処置を行わないと生命が危ない。蕎麦アレルギー、スズメばち毒素にアレルギー、ピリンアレルギーが有名だが、キュウイ、ラテックスなども報告あります。蕁麻疹、呼吸苦、唇の腫れ、吐き気、下痢、腹痛が生じる事もあります。花粉症の極端な例で、花粉と食物が交差しているためと考えられております。一般的な花粉・果物症候群だと以下の果物でOASがあるされています.
【】内は症状の頻度が多い果物です
バラ科【リンゴ】【モモ】イチゴ,さくらんぼ
マタタビ科  【キウイ】
ウリ科【メロン】マクワウリ,スイカ,きゅうり
ナス科    トマト,ジャガイモ
柑橘類   【グレープフルーツ】,オレンジ
その他   ブドウ,栗,ナッツ,ビワ,柿
この数年、花粉との共通抗原性で大豆製品で,アナフィラキシーを発症する患者さんの報告があります。

共通抗原をもつグループ
◯モモ・リンゴ・ナシ・大豆
◯セロリ、パセリ、ニンジン、モモ、ナシ、ジャガイモ、シラカンバ花粉
◯サクランボ、リンゴ、ピーマン
◯パパイヤ、パイナップル、大豆、イチジク、キウイフルーツ

花粉症から口腔内アレルギー症候群になる
◯シラカンバ、オオヤシャブシ、コナラ→りんご、もも、さくらんぼ、アーモンド、なし、いちご、すもも、せろり、ニンジン、キウイ、ヘーゼルナッツ、バナナ
◯ブタクサ→メロン、すいか、バナナ
◯ヨモギ→ニンジン、セロリ、パセリ、ピーナッツ、リンゴ
◯カモガヤ→小麦、ライ麦、とうもろこし、カモミール、タンポポ、ジャガイモ
◯スギ、ヒノキ→トマト

あとラテックスーフルーツ症候群では
ゴムと共通抗原があるものとして、
バナナ、キウイ、クリ、アボカド、クルミ、トマト、パパイヤ、グレープフルーツ、ジャガイモ、メロン、イチジク、ピーナツ

シラカバ    バラ科の食物(リンゴ・梨・梅・アーモンド・ビワ・イチゴ・サクランボ・スモモ・杏)ブラジルナッツ・ピーナッツ・ココナッツ・

セロリ・キウイ・オレンジ・香辛料(マスタード・パブリカ・コリアンダー・キャラウィイ・フェンネル・唐辛子・白胡麻)

ヨモギ セロリ・人参・香辛料(コリアンダー・クミン・アニス)・ナス科の食物(ジャガ芋・トマト)・green bean・

豆科の食物(ピーナッツ・green pea・レンチィル・エジプト豆)栗・マスタード・ヘーゼルナッツ・ヒマワリの種・

ピスタチオナッツ・カモミール」・レタス・蜂蜜(混入)・ビール(混入)

ブタクサ うり科の食物(スイカ・メロン・キュウリ・カンタローブ・ズッキーニ)バナナ
稲科 トマト・ジャガ芋・人参・セロリ・ニンニク・タマネギ・フダンソ・小麦・米・ピーナッツ・green pea・

林檎・桃・ prunodeae paapin・オレンジ・キウイ・メロン・スイカ・ bromelain・卵・豚肉

バナナの
花粉
メロン
 ニレ 胡桃科の食物・ブナ科の食物(栗)・豆科の食物、ナス科の食物・アブラナ科の食物
花粉 食べ物

当院で食物アレルギーを食べて直す治療があります。従来は原因食物を食べないようにして
食事を避ける治療が中心でしたが、経口負荷治療があります。最初は原因食物を少量づつとりアナフィラキシーを
起こす限界量を見極める負荷試験をします。入院ではアレルギーを抑える薬を服用しながら初日は負荷試験で見極めた限界量の
2分の1〜同量の原因植物をとる。10日間毎日接種量を倍増させ牛乳は200ml、卵なら1個まで増やす。
食べて直す治療ですが食べた物にはアレルギーが起こらない状態を経口免疫寛容といい、この10年治療で注目をされています。経口免疫寛容では
制御性T細胞という炎症を抑えるリンパ球が重要なことがマウスの実験でわかってきています。腸粘膜で生まれる制御性T細胞はアレルギーを
起こしやすい免疫グロブリンE型(IGE)の生産を抑える効果が確認されています。例えば卵に対応した制御性T細胞は卵を攻撃するタイプの
IgEの生産を抑え、卵アレルギーを防ぎます。ただIgEが多くても食物アレルギーにならない人もいるので食事療法で治癒した患者のIgEも
余り減らない事もあります。原因食物を食べる事で生まれる制御性T細胞がIgEの活性自体を抑えるなど未知の機構でアレルギーを抑えている
可能性もあります。卵アレルギーでも
・森永 マリービスケット 小麦、乳のみ(卵白抗原なし)
・ナビスコ ラングドシャー 小麦、卵のみ(乳抗原なし)
・森永 マンナボーロ  卵黄のみ(乳、小麦抗原なし)
を使い分け食べれる事もあります。ほぼ全てのメーカーで卵ボーロにはCa強化のために乳成分が含まれています。
卵アレルギーの方は、卵ボーロを使用することはなく、マンナボーロを使います。

↓は、卵アレルギー抗原の強さです。
弱い:食パン・中華麺など・ビスケット・クッキーなど

やや強い:カステラ・丸ボーロ・バターケーキ→→→ハム・ウインナー・ちくわ・かまぼこ・はんぺんなど→ ハンバーグのつなぎ

強い:衛生ボーロ・ゆで卵・卵焼き・茶碗蒸しなど

アイスクリーム・プリン・あわゆきなど・マヨネーズ

もっと強い:生卵(鶏卵・うずらの卵)

ハムやベーコンなどの加工品→菓子パンなどのパン類→天ぷらなどの揚げ物
→卵の黄身→茶わん蒸しや卵焼き