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市立博物館が2年間近くをかけて、市民ボランティアと共同で調査・研究に取り組んだ報告書「柏崎の民家」がこのほど発刊された。同館が一般市民と共同で報告書の作成作業に取り組んだのは初めて。市内鵜川、松波地区の15軒の協力を得て、写真撮影を行い、家にまつわる話の聞き取りをした。鵜川では雪の重さから軒先を守るための「セガイ造り」、松波では店を営んだ家で「通しニワ」などを確認するなど、古い民家の貴重な記録集となった。
柏崎市域には、少なくなったとはいえ、各所に伝統的な民家が多く点在する一方で、年を追って近代的で画一的な住宅の建築が進んでいる。調査は、地域性のある民家を今のうちに記録に残そうと、鵜川、松波の両地区を対象に選んだ。
調査員は、事前に募集した20代から70代の市民、同館学芸員の合わせて15人。2000年7月に民家調査の会を発足させ、翌月からほぼ月1回くらいの割合で現場の民家を訪ねた。鵜川では13軒、松波では2軒を対象に、それぞれの家で写真を撮らせてもらったり、家にまつわるさまざまな話を聞かせてもらい、つぶさに記録した。
報告書では、1軒ごとに調査員が自ら書いた間取り図を入れ、「ハレの日の民家」「クズ屋根」「ネマ」「ザシキとイマ」などの項目ごとに詳細な説明を付けた。また、鵜川では「セガイ造り」を、松波では「通しニワ」など風土や家業にあわせた家の造りを実際に確認した。調査対象の中には、350年から400年前に建てられた当時の様子をとどめるチョウナ削りの家屋もあった。
調査員の1人で、市内三和町の主婦・近藤まさ子さん(56)は「調査活動が楽しそうだったので参加した。この企画に参加させてもらい、物の変わり、歴史の重さを感じ、心に残るものとなった」と話した。三井田忠明館長は「市民と協力して調査を行うことで、博物館の活動の一端が理解してもらえたと思う」とし、貴重な記録としての成果を評価した。報告書は1部1500円。問い合わせは同館(電話22-0567)へ。
(2002/ 7/31)
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