通常の機能やキーボードマクロではできなくても、マクロならできることがたくさんあります。
その中でも、コマンドの中で「繰り返し」と「分岐」ができる点はキーボードマクロではできないマクロの特長で、これらの処理を既存の機能に付け加えると、より便利なコマンドを作成することができます。
<<繰り返し>>
繰り返しのルールをマクロの中に記述しておけるので、キーボードマクロのように毎回実行回数を入力する必要はありません。
また、繰り返しの回数をマクロの中で求めて指定することも可能です。
例)
・ファイルの最後まで繰り返す・日付×5回繰り返すなど分岐:例えば行の1文字目が●と△の場合に異なる処理を行ないたい場合など、その判断もマクロなら実現可能です。
※キーボードマクロを作成したことがない場合は、カスタマイズ編 「#04 キーボードマクロを使おう」「#05 キーボードマクロを使おう2」をご覧ください。
まずは、簡単なマクロを作って、マクロのソースプログラムがどんなものなのか、またマクロを作る手順(右図)をみてみましょう。
通常、マクロのソースプログラムはMIFESで作成(入力)するのですが、キーボードマクロからマクロを作成することもできます。
今回はこの方法で、カーソル行に【】をつけるマクロコマンドを作成してみましょう。
操作をキーボードマクロに記録
次の手順で操作をキーボードマクロに記録してください。
※カスタマイズ編 #04で作成したキーボードマクロと同じです。すでにライブラリに登録してある場合は、改めてキーボードマクロを記録する必要はありません。【ライブラリから取出】機能で「現在のキーボードマクロ」に設定しておいてください。
(1)ツールバーの定義開始ボタンをクリックして、キーボードマクロへの記録を開始します。
(2) Ctrlキー+←キーで行頭へ移動します。
(3) 「【」を入力します。
(4) Ctrlキー+→キーで行末へ移動します。
(5) 「】」を入力します。
(6) ツールバーの定義終了ボタンをクリックして、キーボードマクロの記録を終了します。
マクロプログラムの作成
キーボードマクロが記録できたら、次の手順でキーボードマクロからマクロのプログラムを作成します。
(1) 【ファイル】-【新規作成】で新しいファイルを開きます。
(2) 【マクロ】-【キーボードマクロ】-【マクロ言語に変換】を実行します。
(3) 新しいファイルにプログラムソースが表示されます。
(4) 「マクロコマンド名」を分かりやすい名前に変更します。ここでは「ins_kakko」という名前に変更しましょう。
マクロとキーボードマクロの作成において、もっとも大きな違いは「コンパイル」という手順を踏むことです。
「コンパイル」は、作成したマクロソースにマクロ言語「MIL/W」のルール上誤りがないかをチェックし、実行できる「コマンド」にするために必要な作業です。
では、作成したマクロソースをコンパイルしてみましょう。
(1) コマンド定義行(コマンド名を書いた行)にカーソルを移動します。
(2) 【マクロ】-【1コマンド分のコンパイル】を実行します。
(3) コンパイルが完了すると、自動的にコマンド最後の「*」の行にカーソルが移動します。
コンパイルエラーなく完了すると、作成したマクロコマンドが実行可能な状態になります。
【マクロ】-【カレントマクロの実行】で実行してみましょう。
「ソースを作ってコンパイルする」この手順は、マクロソースの長さや処理の内容に関係なく、マクロコマンドを作成するときには必要な手順です。
ライブラリに登録することで次回起動時以降も実行することができるようになる点は、マクロもキーボードマクロと同じです。