日本語データベースシステム 桐


桐(きり)は管理工学研究所が開発・販売しているデータベース管理システム (DBMS) 。1986年の初版リリース以降着実にユーザー層を広げ、1991年には日経BP社の「読者が選ぶベストソフト賞」を受賞している。最新版は2014年9月にリリースされた桐10。データベースの最大サイズを拡張、Unicodeへの対応と言った改良が行われた。

リレーショナルデータベース管理システム (RDBMS) に近い操作が可能なため、個人レベルでは高機能のデータベース管理システムとしてMS-DOS時代から広く使用された。他方で、新規に表を作成する場合においても、自動作成によってとりあえず使える表が作れ、その後に定義の変更が可能と、初心者にも扱いやすいものとなっていた。また、そのような表のままでも高度な操作が可能であり、個人や小さな事務所、学校の教務や事務等では重宝された。
桐はMS-DOS用のソフトとして長く販売され、Windowsへの対応が遅れたが、その間も使われ続けた数少ないソフトでもある。たとえばナツメ社の「ハンディ・リファレンス」シリーズでは1994年段階で『桐Ver.5操作ハンドブック』など複数の解説書が出版されている。
インターネットが普及する以前、パソコン通信としてPC-VANやNIFTY-ServeのフォーラムにK3UGや桐タンスなどユーザー同士のQ&Aやお披露目など交流が有った。

まとめて桐の歴史を概観します。

DOS桐時代
昭和61年5月 リレーショナルデータベースソフト「桐」が始めて世に登場
昭和62年6月 「桐ver.2」にバージョンアップ、その完成度の高さには定評があったが一般のユーザーが利用するには少し難しすぎる嫌いがあるとの評価
平成2年7月 「桐ver.3」登場。内容は大幅に改良され、リレーショナルデータベースが一般ユーザーにも扱いやすいものになり、桐ユーザーが爆発的に増え、1991年日経パソコン誌読者ベストソフト賞受賞
平成4年6月 「桐ver.4」登場。処理速度をver.2並にもどし、さらに機能を強化
平成6年1月 「桐ver.5」の登場。データベースエンジンの改良等中身は大幅に変更されパワーアップ

平成7年12月 Windows95が発売され、世の中は一気にWindows95一色になる

WIN桐時代
平成8年9月 DEMO版CD-ROM「栞」(しおり)が発表された。Win版桐の全貌がかなり明らかになる
平成9年5月 桐ver.6の出荷予定日、価格、出荷計画等正式発表
平成9年7月 機能制限付きの評価版「桐ver.6<七夕バージョン>」通称「七夕桐」無料配布

桐の最新情報を一般公開するため、管理工学研究所公式ホームページ開設

平成9年9月 幕張メッセで行われたWorldPCExpoで、桐ver.6のβ版「お月見桐」発表
平成9年10月 桐ver.6の製品バージョン発売
平成10年3月 結合表、レコードロック、外部DB機能を付加した「桐7補完計画」発表
平成10年5月 管理工学研究所より桐ver.7の発売日正式発表
平成10年6月 登録ユーザーに桐ver.7発売のお知らせが届く。桐ver.6は5万人のユーザー数

平成10年7月 一括処理、履歴等の機能を付加した「桐ver.7」発売
平成10年11月 WindowsNT4.0、Windows98で動作する「桐ver.7.1」発売
平成10年12月 桐ver.7.1(up1)が管理工学研究所のホームページで発表
平成11年4月 不具合がいくつか改善された桐ver.7.1(up2)が管理工学研究所のホームページで発表

平成11年6月 グラフ、イベントハンドラ等を搭載した「桐ver.8」発売
平成11年7月 桐 ver8の「一括処理オンラインヘルプ」の内容を、「PDFファイル」として出力したものが「桐8sp1」として管理工学研究所のホームページで発表され同時にダウンロード可能
平成11年8月 桐ver.8のプログラム修正ファイルとPDFオンラインマニュアルを含んだ、「桐ver.8sp2」がベクターHPよりダウンロード可能

平成11年11月 「桐ver.8sp3」発表
平成12年2月 「桐ver.8sp4」発表
平成12年5月 「桐ver.8sp5」発表
平成12年10月 いくつかの機能追加と不具合が修正された「桐ver.8sp6」発表
平成13年9月 幕張メッセで開催された「WORLD PC EXPO」で桐ver.9の概要公表

平成14年7月 桐ver.9の発売に関する最新情報が管理工学研究所のHPに掲載
平成14年10月 エクセルとのデータ交換が容易になった桐ver.9発売
平成15年2月 「桐ver9シェアウェア版」発表
平成15年2月 「桐ver9 for メタフレーム版」発表
平成15年3月 「桐ver8sp7」発表(桐ver.8の改良はこれで最終)

平成15年3月 「桐ver9sp1」発表
平成15年5月 ターミナルサーバー、メタフレームサーバーに対応した「桐forTSE」発売
平成15年9月 Excel2003の発表に対応して、桐9-2004の緊急発売発表
平成16年12月 QRコードが印刷できる桐9-2005(2004sp2)発売
平成17年12月 セキュリティ機能が強化されたセキュア桐(桐9-2006(2004sp3))発売

平成19年6月 vista版対応桐9-2007発売
これは単にvistaに対応させただけで機能の追加はないとのことです。

登録フォームのサンプル

 #easydbregist(table2,data1,個別ページ)

レコード番号:
名称:
西暦:
月:
内容:


リストと検索フォームのサンプル

#easydblist(table2,data1,個別ページ)
レコード番号名称西暦内容
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1桐(初代)198651986年5月発売。リレーショナルデータベースソフト「桐」が始めて世に登場。閲覧編集
2桐 ver.219876日本語入力フロントプロセッサとして「松茸86」を搭載。桐ver.2」にバージョンアップ、その完成度の高さには定評があったが一般のユーザーが利用するには少し難しすぎる嫌いがあるとの評価。閲覧編集
3桐 ver.319907パンフレットなどのキャッチフレーズは「グレースが主義です。」であり、「優しさと奥行の深さ」とも書かれていた。日本語入力フロントプロセッサとして「松茸V2」を搭載。画像データ(新松以降に同梱された画像ソフト「鶴」形式)を扱えるようになった。機能限定版が「Oh!PC」(日本ソフトバンク刊行)の付録ディスクとして紹介された。「桐ツアー」という学習プログラムが同梱される。桐の一括処理を使ったものである。ワークシート状の「簡易表作成」機能が追加され、ワークシート状のデータ入力を行った後に、データベースの基本設計や「自動設計」が可能な作りになった。表形式画面とカード形式画面の切替が容易に行えるよう改良された。「あいまい検索」が使えるようになった。自社のワードプロセッサ「松」の差し込み印刷の読み書きが可能になり、新松の文書に差し込んで印刷などが可能になった。メニューが2種類に増えた。既存のファンクションキーによる操作体系に加えて「/」キーでメニューが表示されるようになった。複数のファイルを開いて作業を行えるように改良された。機能が強化された反面、Ver.2に比べると処理速度の低下が目立った。このバージョンからシステムディスクが2枚になる。MSDOSユーティリティプログラムKSH,MDATEなども公開された。閲覧編集
4桐 ver.419926パンフレットなどのキャッチフレーズは「グレースハピネス」。日本語入力フロントプロセッサとして「松茸V3」を搭載。カード式画面で、複数レコードを表示できる「マルチレコードフォーム」を搭載した。処理速度をVer.2並に戻すよう、ブラッシュアップした。表の併合・結合といったリレーショナルベータベースの概念に近い機能も追加された。バーコード印刷が可能になった。グラフ作成機能の追加。関連ソフトウェアとして、「マルチメディア桐」も登場した。カノープス社のマルチメディアカードとともに動作する。販売実績については不明だが、Ver.4のパンフレットには案内がある。NetWareに対応した。PC-98ハイレゾモード、FM-R、DOS/V対応版も追って販売した。閲覧編集
5桐 ver.519941パンフレットなどのキャッチフレーズは「THE KING OF STORY ストーリー桐」。なお、同年6月に廉価版の「My Class 桐」も発売されている。日本語入力フロントプロセッサとして「松茸V3」を搭載。DOS/V版は、PC-DOS/V、MS-DOS/V双方に対応したモジュールが用意されている。データベースの基本仕様(項目数、レコード長、最大表ファイルサイズ等)を拡張した。ワープロソフト「松」の文書ファイルやLotus 1-2-3のファイルを直接開くことが可能になった。「松」はそのまま印刷が可能で、松がインストールされていれば、チャイルドプロセス上で「松」を実行し編集する、といった作業も可能になった(PC-98,DOS/V版のみ可能)。グラフ作成機能が強化された。閲覧編集
6桐 ver.6199710Windows 95発売時、雑誌などにWindows版開発中のアナウンスを発表。キャッチフレーズは「おとなの解放区」であった。その前年の1996年秋にはデモCD-ROM「栞」、1997年には「桐ver.6七夕バージョン」「〜お月見バージョン」といった開発途上版を公開していた。日本語入力フロントプロセッサ(IME)として「松茸Ver.4 for Windows」を搭載。管理工学研究所は、発売前から「桐 ver.5」の「一括処理」や「グラフ機能」は搭載されないことを事前に周知しており、その他の機能も一部搭載されていない。搭載されなかった機能のうち一部を実装した「桐7補完計画」を、登録ユーザに提供(1998年3月)した。このバージョンからMicrosoft Windows版となる。閲覧編集
7桐 ver.7/7.1199711日本語入力フロントプロセッサ(IME)として「松茸Ver.4 for Windows」を搭載。ver.6で搭載が見送られた「一括処理」の実装が復活する。SPの提供もあった。閲覧編集
8桐 ver.819996日本語入力フロントプロセッサ(IME)として「松茸Ver.4.1 SP1 for Windows」を搭載。これまで、ver.6から搭載されていなかった機能のうち「グラフ機能」が復活し、このバージョンをもって、MS-DOS版の「桐 ver.5」にあった機能の実装が完了した。イベントハンドラ機能が追加された。閲覧編集
9桐9200210日本語入力フロントプロセッサ(IME)として「松茸Ver.4.1 SP1 for Windows」を搭載。マイクロソフトの表計算ソフト「Microsoft Excel」との連携を強化。後に「クロスエクセル」機能となる。ほぼ1年ごとに、最新のWindowsやExcelに対応したマイナーバージョンアップが行われる。最終はExcel 2013に対応した「桐9s」(2013年10月)。有償バージョンアップにより、次期「桐10」を廉価に提供するというアナウンスがあった。閲覧編集
10桐10201410『桐10』は2014年10月17日(金)より発売。このバージョンから日本語入力システム「松茸」は同梱されていない。内部処理が、JISコードからUnicodeへと修正が行われ、文字がJIS第4水準まで扱えるようになった。データベースのサイズが桐9の64倍(32GB)へと拡張された。レコード数は約4千万から約10億レコードへ、レコード長も2倍(8,000字)に拡張された。Unicode IVS(異体字)に対応した。追記:2015.03.16 「桐10 更新プログラム(桐10 sp1)」を公開。2015.08.03 「桐10 更新プログラム(桐10 sp2)」を公開。2017.03.29 「桐10 更新プログラム SP3」を公開。2017.09.29桐10sを販売する。別売のマニュアルも発売された。フォントリンカーβ版の配布も行われた。閲覧編集

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Last-modified: 2022-06-03 (金) 19:20:35 by pukiwiki 1.5.4