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野    菊


野菊

野菊 10月13日撮影   派手な美しさはなく、家に持ち帰って飾ってもあまり見ばえは期待できないので手折ってくる人も極めて少ない。花びらが欠けたものも多く、周りの雑草と共に揺れ、周りの雑草に支えられているようでもある。そして、まさにそのやや疲れたような咲き方にえも言われぬ魅力がある。小説「野菊の墓」の情景も頭に浮かぶ。私にとっては季節の秋と人生の秋が頭の中で交錯しているのかも知れない。
 毎年秋、かなり長い期間、道を歩くたびに何か語りかけられているように感じる、独特な雰囲気をもった植物である。
 はなびらの欠けて久しき野菊かな(後藤夜半)