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杜氏の名塚さんが千葉県の名工として表彰

 千葉県が卓越した技能者に贈る「千葉県の名工」に、同県の酒造会社で杜氏(とうじ)を務める市内宮之窪、名塚安衛さん(73)が選ばれた。名塚さんは同県内の酒造業に身を投じ、今年で56年。清酒の醸造で最も重要な酵母の選定に卓越した鑑識力を持ち、独自の仕込み技法を確立した。このほど行われた職業能力開発促進大会(同県など主催)の席上、表彰を受け、優れた技能がたたえられた。

 千葉県の名工は、広く社会一般に技能尊重の気風を浸透させ、技能者の地位と技能水準の向上を図ることが目的。最高水準の技能を有し、他の技能者の模範と認められる人を1972年から表彰している。厳しい審査を経て、今年は各分野から15人が選ばれた。

 名塚さんは戦争から復員後すぐの45年から、十代の若さで親せきと一緒に農閑期には出稼ぎで酒屋に勤めるようになった。最初は洗米などの冷たい水仕事などから始まり、見よう見まねで技術を習得した。30代後半で杜氏になり、これまで酒造業一筋の道を歩んだ。

 勤務する小林酒造場は1874年に開業した蔵元で、創業120年余り。「品質第一」をモットーに、従業員3人と小規模ながら、常に手堅い品質の酒を提供している。名塚さんは酵母の選定に卓越した鑑識力を持ち、それぞれの酵母の特徴や力を十分に引き出すため、温度管理などの研究を続けた。

 さらに、小規模で限られた設備という現実を逆手にとって、同県の工業試験場の協力を得つつ、手造りのよさを生かしたもろみ管理技術を確立。原料米の産地・銘柄ごとに異なる仕込み技法を築き上げた。

 名塚さんの祖父、父親とも農閑期には杜氏の親方として働きに出掛け、「冬場は酒屋へ仕事に行くのが当たり前と思っていた」と振り返り、栄誉ある表彰に「長年の苦労が報われたという思いでいっぱいだ。これからも体の続く限り、頑張りたい」と話した。

(2001/11/29)

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