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「いちばんやさしい教える技術」を読んで


向後先生の最新本「いちばんやさしい教える技術」を読みました。

うまく教えるためには教える技術が必要である。
しかし、世の中の大半の人は教える技術を教えられていない。

分かりやすい文章と具体的な事例であっという間に読んでしまいました。
学生たちにも勧めたいと思います。

この本を読んで少し触発されたので、教えることについて自分の考えを整理してみることにします。

教える□□.png



教えるには、教える内容と技術の2つが必要であると思います。
小学生に分数を教えるためには、分数についての内容理解が必要です。
しかし、分数の内容を理解しているからといって、学習者に分数を教えられるわけではありません。教えるための技術が必要です。

そこで、教える側の人(教師)を、図のように4つに分類してみました。
(ちょっと単純化しすぎかもしれませんが・・・)
教え方が一番上手な人というのは、内容(多)・技術(多)と考えることができます。
内容(多)・技術(少)であっては決して良い教師とは言えません。
内容(少)・技術(多)という人は、あんまりいませんよね・・・。

また、内容←→技術の行き来は発達段階で当然あることですが、C→DよりもA→Bという道筋をたどって理想の内容(多)・技術(多)に近づくと考えられます。

教育学部のカリキュラムでは、1年次に「内容」を「少→多」にする授業が多く、学年が上がるにしたがって、「技術」を「少→多」にする授業が多くなっていきます。
(「技術」を「少→多」にするところは、疑問もあるんですけどね・・・)
しかし、学生たちにはこのことがほとんど理解されていません。
なので、小学校の教師になるために入学したのに、「なぜ、解析学なんかやらなくてはいけないの?」とモチベーションを下げてしまっているように思われます。

自分のやっている授業でもこの「内容」と「技術」の2つの側面からきちんと学生に伝えることはやっていませんでした。
たとえば、わり算の等分除と包含除は「内容」ですが、教えられる子どもの実態に合わせて適度に挑戦しがいのある問題を出すことは「技術」です。

単純に「内容」と「技術」と2分できることではないかもしれませんが、このように整理して学生に示すことで、授業で何を身に付けることができたのかが明確になるように思います。
特に「技術」についてはどの教科でも応用できるものであり、様々な効果が期待できそうです。

早速、来週の授業から取り入れてみようと思います。
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