Windows 11をクリーンインストールする12つの手順
Windows 11のクリーンインストールを行うと、アプリなどの影響を受けずにWindows 11をパソコンにダウンロードできます。
しかし、Windows 11をスムーズにクリーンインストールするためには、クリーンインストール用のメディア作成やバックアップなどの事前準備が必要です。
この記事では、初めてWindows 11のクリーンインストールへ挑戦する方向けに、クリーンインストールのための手順や万が一失敗した時の対処法などを解説します。
クリーンインストールとは、USBメモリやDVDを利用して、OS内部に保存されているソフトや設定、アプリケーションなどをすべて削除し、OSをダウンロードする方法のことです。
すでに利用しているパソコンのクリーンインストールを行う場合は、事前にバックアップを取っておきましょう。クリーンインストールを開始すると、ファイルの内容や設定などもすべて削除されてしまうため注意が必要です。
クリーンインストールを行う前に、USBメモリやDVDを使ってインストールメディアを作成しましょう。クリーンインストール時はインストールメディアからOSを起動するため、必ずどちらかを用意しておいてください。
DVDを使用してインストールメディアを作成する場合、DVDに直接ISOファイルが書き込まれる訳ではありません。パソコン本体にWindows 11のISOファイルをダウンロードした後、DVDへ書き込みます。ISOファイルは5GB程度あるので、5GB以上に対応した片面2層のDVDを用意しましょう。
MicrosoftのWindows 11のダウンロードページへアクセスし、「Windows 11のインストール メディアを作成する」という項目をクリックする。
ファイルをダウンロードした場所の名称
「DVD書き込み用ドライブを開く」
下の「DVD書き込み用ドライブを開く」を選択し「完了」をクリックします。空のDVDを挿入してから、表示された「Windowsディスクイメージ書き込みツール」画面の「書き込み」をクリックしましょう。書き込みが開始されるので完了するまで待機します。
USBメモリを利用すると直接ISOファイルがUSBメモリに書き込まれるため、DVDを使用する方法よりも手順が少なく済みます。ISOファイルはおよそ5GBあるので、容量不足でエラーにならないよう8GB以上のUSBメモリを用意しましょう。
注意したいのは、USBメモリに保存されているファイルやデータがすべて削除されてしまうことです。大切なデータを失わないために、使用するUSBメモリの内容を事前に確認しておくか、新しいUSBメモリを用意しましょう。
まず、USBメモリをパソコンに接続します。手順はDVDで作成する場合と途中まで同じですが、使用するメディアの選択からが異なります。
言語とエディションの選択までは同じ操作
画面に「使用するメディアを選んでください」と表示されたら「USB フラッシュ ドライブ」を選択
「次へ」をクリック
ファイルを保存するUSBメモリを選択
ダウンロードが完了するまで待つ
「完了」をクリック
USBメモリは取り外さずに、そのままクリーンインストールへと進みます。
作成したメディアをセットしインストールを開始する
それぞれのインストールメディアを起動する方法は以下の通りです。
なお、すべての作業が完了するまで数十分から数時間かかることも多いため、Windows 11のクリーンインストールを行う際は、ノートパソコンなら電源につなげたまま行うのをおすすめします。
パソコンを起動させてから、作成したクリーンインストール用のDVDを挿入します。自動的に画面が切り替わる、もしくは、いずれかのキーを押すように画面に指示が表示されるため、内容に従いましょう。
まず、パソコンの説明書やメーカーの公式サイトへアクセスし、USBメモリからの起動に必要なキーについて確認します。メーカーにより、パソコンの電源を入れた直後にF2キーを押す、F12キーを連打するなど、操作に違いがあるためです。
起動キー | メーカー |
F3+電源ボタン | Surface Laptop |
F8 | ASUS、BenQ |
F9 | HP |
F12 | Lenovo、Acer、ASUS、HP、Fujitsu、Toshiba、Lenovo、Acer、Dell、IBM、BenQ |
ESC | Dell、Sony、ASUS |
USBメモリを挿入した状態で、パソコンごとの操作手順に従い、USBメモリより起動を行います。
もし、起動キーを押しても作動せず、Windows 10がすでにインストールされているパソコンの場合は、以下の方法で指示を出すことも可能です。
ここで選択するのは、以下の4項目です。
しばらく待機していると「Windowsのライセンス認証」が求められるので、「プロダクトキーがありません」をクリックしてください。プロダクトキーとは、簡単に言えば製品を利用する権利を有しているのか確認するためのものです。
新品のパソコンでセットアップを初めて行う場合、インストール後にライセンス認証を行います。一度プロダクトキーを入力したことがあるパソコンなら、デスクトップが起動した後に自動的に認証されます。
再インストールによるクリーンインストールの場合は、異なるエディションを選択するとライセンスの再認証が必要となってしまうためです。
もし、使用しているエディションが分からない場合は、以下のように操作して確認してください。
インストール種類を「カスタム」に選択する
インストールを行う内容別に「アップグレード」と「カスタム」の2種類が表示されるため、下の「カスタム:Windowsのみをインストールする」を選択してください。
「アップグレード」を選択すると、ファイルや設定などが保持されたままインストールが行われ、クリーンインストールができないため、必ず「カスタム」を選択しましょう。
ドライブを選択してインストールを開始する
インストール場所の選択に進みます。再インストールによるクリーンインストールの場合は、Windows 10やWindows 11(これまで使用していたOS)がインストールされているドライブを選択します。新規の場合は「割り当てられていない領域」を選ぶか、パーテーションを新規作成しましょう。
パーテーションとは、1台しかないHDDやSSDの内部に仕切りをつくり、複数台存在しているようにドライブを分ける方法です。バックアップ専用のデータを入れられるドライブとその他のドライブを分けられるため、データの安全性を保ちやすくなります。
新規でパーテーションを作成する場合は、以下のように行います。
「新規」をクリック
サイズの欄に少なくとも「120000MB(120GB)」以上の数値を設定
「適用」をクリック
「OK」をクリック
パーテーションが作成されるまで待機
「割り当てられていない領域」を選択状態にする
「新規」をクリック
必要なだけ同じ操作を繰り返す
Windows 11をクリーンインストールするパーテーションをクリック
「次へ」をクリック
特にドライブを分ける必要がないのであれば、パーテーションは作らず、「割り当てられていない領域」をクリックするとインストールが開始されます。
パソコンが再起動したら初期設定を行う
インストールが完了すると、パソコンの再起動が必要なことを示す画面が出るため「今すぐ再起動」をクリックします。その後、以下の初期設定を行いましょう。
使用する言語を選ぶ
国や地域の選択を行う/キーボードレイアウトを確認する/2つ目のキーボードの仕様について確認されるため必要に応じて追加
PCの名前を設定/無線Wi-Fiを使っている場合はネットワークへの接続を行う/Microsoftアカウントへのサインイン/PINの作成
「OneDriveからの復元」または「新しいデバイスとしての設定」を選択
プライバシー設定の内容を確認し「同意」をクリック
エクスペリエンスのカスタマイズ(不要ならスキップ)
アップデートを待機
ここまで行った後、更新作業が完了され次第、Windows 11のデスクトップが表示されます。
Windows 11のクリーンインストールに関して、実施するメリットやスペックが足りないパソコンでも実施できるのかなど、より具体的に知りたい疑問が浮かんだ方も多いのではないでしょうか。
ここでは、Windows 11のクリーンインストールに関して、よくある質問に回答します。
クリーンインストールのメリットは、大きく分けて3つあります。
アップデートの場合、基本的に現在のファイルやアプリケーション、設定をすべて引き継いだまま、新しい内容をインストールします。
したがってWindows 11の最新アップデートを行ったとしても、設定やアプリが原因となるエラーや不具合は解決されず、残ってしまうことがあります。
そのため、クリーンインストールの方が不具合やエラーを回避しやすいといえます。
パソコンの性能にも左右されますが、クリーンインストールだけで数十分、時には数時間近くかかることもあります。
したがって、数時間ほどパソコンが使えなくても問題がないタイミングにクリーンインストールを行った方が、時間的には余裕をもって対応できるでしょう。
要求スペック外でもクリーンインストールできる?
完全な自己責任ではあるものの、非サポートのパソコンでもUSBで作成したインストールメディアを使うことでクリーンインストールが可能です。
しかし実験的に自分で試すことが目的でない限り、要求スペック外のパソコンで実施するのは避けましょう。
なぜなら、クリーンインストールを行う過程で失敗してパソコンが使えなくなったり、将来的にWindows 11のアップデートが受けられなくなったりする可能性があるからです。
Windows 11のクリーンインストールを行うのであれば、以下の要求スペックを満たしたパソコンをおすすめします。
項目 | プロセッサ | メモリ | ストレージ |
詳細 | 1ギガヘルツ (GHz) 以上で2 コア以上の64 ビット互換プロセッサまたは System on a Chip | 4GB | 64 GB 以上 |
Microsoftの公式サイトで、パソコンにWindows 11をインストールが可能か判断するための「PC正常性チェックアプリ」が無料配布されているため、こちらを活用して確認しておくと便利です。
なお、パソコンによっては要求スペックを満たしていても不具合が出る場合があります。トラブルが起きた場合には、専門店へ相談しましょう。
始める前にはバックアップを!
クリーンインストールはディスクを初期化することで、不具合が起きる要素などをできるだけ排除した状態でWindows 11をインストールできるというメリットがあります。不具合が起きていた場合でも、解決できる可能性があります。
ただし、クリーンインストールを行うとパソコンに保存されているファイル、個人情報などはすべて削除されます。大切なデータがある場合は始める前に必ずバックアップを取っておきましょう。
インストールをプロに任せるのも一つの方法
Windows 11のクリーンインストールが行えない場合、原因は次のように多岐にわたり、特定が困難なことがほとんどです。
コア分離とは、コンピュータープロセスをオペレーティングシステムとデバイスから分離することをいいます。
この機能によりマルウェアや他の攻撃からの保護を強化します。
メモリ整合性を「オン」にすることで、攻撃の発生時に悪意のあるコードによる高セキュリティ プロセスへのアクセスを防ぐことができます。